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一般健診や人間ドックで「要医療」「要精密検査」や「要観察」などを指摘されましたか?
指摘項目について、簡単な説明にはなりますが下記にまとめましたので、診察を受ける際の参考になれば幸いです。なお、労働安全衛生法の指定項目のみ記します。
 
①高血圧
②脂質異常
③血糖値
④肝機能
⑤貧血や血球の異常
⑥胸部レントゲン
⑦心電図

 

上の血圧が 120mmHg(水銀柱) 下の血圧が 80mmHg を正常としています。 それぞれ 140/90 を越えると高血圧です。 この値をこえると心臓病や脳血管疾患の発症が増えるため、病的な状態とされて います。
個人差はありますが、140/90 前後は自覚症状がない場合が多く、数年の経過で 150/100 前後になると脳梗塞を発症するか、頭重感やめまいなどの脳循環障害の症状が増えてきます。 自覚症状のないうちに心臓肥大や動脈硬化が進行していることがありますので、 早めに受診してください。
当クリニックでは、超音波を用いて高血圧患者さんの状態を判定したうえで生活指導や内服の方針を説明しています。循環器内科を受診してください。

【 参 考 】

健康診断では血圧が高く、自宅では低い場合白衣高血圧とよばれます。血圧測定法に誤りがなければ、緊張による血圧上昇を反映している可能性があります。 最近の調査結果では、白衣高血圧も後年本当の高血圧に進行することがあり慎重に対応が必要とされています。
すでに内服治療中の方も多いかと思いますが、内服しても血圧の変動が大きい方や、血圧が下がらない方は以下を参考にしてください。

★高血圧初期の心臓や血管の変化について
 愛知三の丸クリニックだより第12号(2018 年 10 月)
★ 高血圧初期の減塩による降圧について
 愛知三の丸クリニックだより第13号(2018 年 11 月)
★白衣高血圧について
 愛知三の丸クリニックだより第16号(2019 年 2 月)
★血圧の変動が大きい
 愛知三の丸クリニックだより第14号(2018 年 12 月)
★血圧がうまく下がらない
 愛知三の丸クリニックだより第15号(2019 年 1 月)

いわゆる悪玉コレステロール(LDL コレステロール)が 140mg/ml 以上で要医療です。
この値をこえると心臓病が増加するためです。
食事運動療法または薬剤を使用して 120 以下になるのが望ましいとされています。
コレステロールが血管に沈着してプラークを形成し、それにストレスや喫煙などが加わってプラークが破綻すると血栓が血管を閉塞します。
これが心筋梗塞や脳梗塞で、突然発症することが多いため、症状がでるのを待つのは危険を伴います。
頚動脈の超音波でプラークを直接見ることができ、脂質異常に伴う動脈硬化の指標の一つになっています。
コレステロールの高いかたは、一度頚動脈エコー検査を受け、参考にしながら治療に取り組んでください。
血液内科を受診してください。

【 参 考 】

★コレステロールが血管に沈着して動脈硬化を起こすことについて

健康診断では原則として空腹時に採血します。
正常は空腹時血糖 110mg/ml 以下 で 110 以上は境界型糖尿病、126 以上を糖尿病と定義されています。
健康診断では実施されませんが(人間ドックには含まれています。)、ヘモグロビン A1c(HbA1c)が 5.6%を正常、5.7-6.4 を境界型、6.5 以上を糖尿病とする定義もあります。
血糖値は食事内容により上下するため一回だけの測定では中長期の状態を推定することができません。
それに対して HbA1c は赤血球中のヘモグロビンというたんぱく質に付着する糖分の割合を示す血液検査で、赤血球の寿命が 1~2 か月ですので、過去 1 か月間の血糖値の総和(積分)とされています。
そのため空腹時血糖が高い 場合は、HbA1c を測定することが望ましいとされています(場合によりブドウ糖負荷試験が必要です)。
糖尿病は自覚なく進行しますが、放置すると心臓病や動脈硬化の病気を起こしやすくなりますので、早めに予防や治療をすることが必要です。
内分泌内科を受診してください。 

【 参 考 】

★糖尿病に合併する心臓病について

血液検査 GOT、GPT、ɤGTP の上昇を意味します。
GOTは肝臓以外の病気でも異常値となることがありますが、GPT と ɤGTP はほぼ肝臓の病気と考えていいでしょう。 原因としては脂肪肝やアルコール性肝障害など生活習慣病の場合がよくみられますが、胆石やウイルス性肝炎、肝臓腫瘍などの場合もあります。
消化器内科を受診してください。

血球とは、血液中を循環している赤血球、白血球、血小板を示します。
血球の異常で要精査であれば、血液内科を受診してください。
赤血球は、主として酸素の運搬。
白血球は、免疫細胞として感染防御。
血小板は 血管が傷ついたときに最初に反応して血栓を作って止血をします。
それぞれの血球が、過度に増加または減少すると様々な病気をひき起こします。

アレルギーは、通常の花粉症やアトピー性皮膚炎とは異なる原因によります。
上記以外に、骨髄という血球を産生する組織の病気で起こる異常もあります。
貧血には、原因が複数ありますが、ここでは代表的な鉄欠乏性貧血のみ解説します。
主な原因は、胃腸からの出血(大腸ポリープや腫瘍)、女性であれば婦人科領域の 失血(子宮筋腫や月経過多など)、または極端な偏食による鉄分摂取不足です。 検査結果をみると、赤血球数中のヘモグロビン(Hb)が低下して、赤血球の容積 (MCV)とヘモグロビン濃度(MCHC)が低下しています。
鉄は酸素を結合する能力が強いため、鉄結合貧血では、赤血球が運搬する酸素量 が低下します。
また、鉄は体内で組織を維持するために必要な化学反応を促進する 作用(触媒)があるため、欠乏すると組織の障害がおきてきます。

胸部レントゲン写真の異常のほとんどは、肺の炎症による陰影です。 炎症は持続的に組織が壊れている状態で、病原体(ウイルス、細菌、カビなど)、肺内の異物(石綿、煙草、研磨された金属など)に対して組織が障害されることです。
これ以外に肺の腫瘍が偶然発見されることもあります。 肺炎をおこしていても、自覚がないこともあり(かつて肺結核はそのようなことがよくありました)、レントゲン写真により初めて発見されることもあります。
また、肺炎の名残で、組織が硬くなると古い影として残ることもあります。要精査と判定されるのは、そのような古い影よりも、進行性の炎症が疑われる場合がほとんどです。
要精査という判定があれば、呼吸器内科を受診してください 胸部の CT を撮影して、詳しい画像をみて判断します。

心電図異常は、波形の異常(心臓の構造や機能が障害される)と不整脈(心拍の乱れ) に大きく分けられます。
要精査となる心電図の異常には、様々なものがありますが、よくみられるものについてのみ解説します。
要精査と指摘されたら循環器内科を受診してください。


●健診の心電図でよくみられる波形の異常で、要精査となるもの
左室肥大、陰性 T波、ST-T 異常
これらは、高血圧が長年持続し心肥大が生じると、その部分現象として出現します。
高血圧がない場合は、糖尿病、喫煙、運動不足などで、心筋が障害されると出現します。なかには遺伝性の体質による心肥大もあります。
陰性 T 波と ST-T 異常については、心臓の血管が狭窄する狭心症による変化のこともあります。その場合は、歩くと胸が痛いなどの自覚症状を伴っていることが多いです。

【参 考】
★高血圧による左室肥大について
●不整脈でよくみられる異常
上室性期外収縮、心室性期外収縮
心臓は、標準で安静時に一分間に約 70 回拍動します(おおよそ 60 から 80 の間)。 自動車のエンジンと同じで、緊張や運動という「アクセル」を踏むと、心拍数は 100 から 140/分まで上昇しますが、休むと自然にもとに戻ります。
このように、心臓はおおむね一定の間隔で拍動しますが、期外収縮は、その間隔よりも短い間隔で割り込んできます(期待される間隔を外す=期外収縮)ので、エンジンであれば「ノッキング現象」です。
心房から発生する期外収縮を『上室性期外収縮』、心室から発生するものを『心室性期外収縮』と呼びます。 心臓に大きな病気がなければ、通常は症状がなく日常生活にも大きな支障はありません。
しかし、高血圧や糖尿病がある場合や、心臓に狭心症や心肥大、弁膜症のような機能の異常をきたす病気がある場合は、症状が出現して治療を要します。

【参 考】
★上室性期外収縮について
 愛知三の丸クリニックだより6月臨時号
★心室性期外収縮について
 愛知三の丸クリニックだより第11号
●心房細動
心臓は、通常、心房が収縮してから少し遅れて心室が収縮する連携が、きちんと維持されています。
心房細動は、この連携がなくなって、心房と心室がばらばらに収縮する状態で、心房収縮による血流がなくなる分 30%程度心室から拍出する血液が減少します。
このため、肺から流入する血液が、心房内に貯留してよどむため血栓を形成して 脳梗塞を起こしたり、血液の拍出が充分にないため心不全をおこしたりします。 血栓予防薬や心不全の治療薬が必要になります。
早期であれば、カテーテル治療による根治が期待できるようなりましたので(ただしすべての心房細動に適応があるわけではありません)、心房細動が健康診断の心電図で指摘されたら、症状がなくとも循環器内科に相談してください。

【参 考】
★ 心房細動について
代表
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